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屋代敏博:回転回


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多摩美の
”どんな鳥も想像力より高くとぶことはできない” 遊戯する想像力 
という講座で
写真家である屋代敏博氏の話を 実に面白く聴きました
* * * * *
2001年に
ロワール地方の古城を
12人の写真家が一人一城をうけもち 現地で制作・発表するという企画がありました
フランス政府とポンピドゥーセンターの合同プロジェクト
「Architecture et Paysage建築と風景
屋代氏は
肖像画や狩猟道具が壁一面に飾られた 古色蒼然としたヴァランセー城を担当
”・・・部屋の空間は自分の想像を超え 普通に撮影すると僕と空間の対立が激しくなる・・”と 
考えたそうです

このときの写真に
黒くて丸い不思議な物体が写っています 
それは屋代氏自身です
頭からすっぽりとかくれる服をまとい 回転盤の上に腹ばいになって回転する・・

長時間露光で撮影すると
屋代氏のからだは”ひとつの物体”として
部屋や風景の中に溶け込んでいく・・

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回転+転回
Revolving+Revolution
過去であり 現在であり 未来であり
It is the past ,the present,and the future
祖先であり 自身であり 子孫である
It is one's ancestors, one's self, and one's descendants
すべては消滅し 再生する
Everything disappears and is reproduced

どうしたら こんな発想が生まれてくるのでしょう?
* * * * *
1996年頃
学生時代から撮っていた「銭湯」のシリーズがはじめての発表でした
消え去りつつある日本の「銭湯」を 男湯と女湯から撮影
二枚を合成した作品でした
自分にとっては使命感であったような気がしたそうです
このときの数々のエピソードにも笑いました
しかし この頃から
写真のことを考え過ぎて 頭の中が複雑になり過ぎていくのです
”写真には対象物がかならずある 対象に依存しない写真はないものか?”と
そして
”自分が対象物の中に入り込めばいいのではないか” とも
”物事をもっと単純に考えよう”
* * * * *
モノを一回転すれば すべてのモノが同じように球体になることを考え
消しゴムやマヨネーズ アジの干物を回転盤にのせて撮影したのです
そして
自分を回転させても丸くなって モノと同じ球体になり
風景の中に溶け込んでいく・・
これが”回転回”という独自の屋代ワールドの原点なのです
作品集として本は作っていないそうで
すべてライブというかたちで発表されています
* * * * *
フランスの古城で
奥さんに回転盤の上に・・と頼んだところ
”いやよ”と断わられ 結局自分がすることに・・・
だそうです
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by tarizumi | 2008-10-26 21:17 | 美術